【LEAP参考書特集】2016年予備試験合格者が実践!口述対策に活躍した参考書8冊大公開

毎年、予備試験の論文合格発表の約2週間後に行われる口述試験。お会いした多くの予備試験合格者は、「人生で1番勉強した2週間でした」と答えていました。それもそのはず、予備の口述試験は、第1である短答試験、第2関門である論文試験を経て、待ち受ける予備試験最終合格目前の最後の関門なのです。「落ちられない」というプレッシャーがのしかかり、追い込まれた中で対策をする方が多いようです。今回は、2016年予備試験合格者であり、LEAPの講師としても活躍する佐護絵莉子さんに、口述試験までの約2週間、“一番つらかった”という期間の勉強スケジュールを聞いてみました。

“予備試験論文の合格発表後、一念発起し民事系、刑事系科目を一から復習し直しました”


Q. 口述試験の対策を始めたのはいつでしたか?

勉強を始めたのは、論文の合格発表の翌日からでした。論文合格を予期していなかったため、民法、刑法は1年間全く触れていなかった状態で焦りまくり。ロースクールに通いながら、一から復習をするつもりで2週間のスケジュールを立てました。私は民事科目の要件事実を詰めなければいけなかったので、民事の方に時間を多く割きました。論文の合格発表が10月6日、口述試験が10月22日、23日だった私の場合の具体的なスケジュールは、以下の通りです。

  • 1週間目(10月8日〜10月14日)
      • 前半4日間:民事の知識インプット
      • 後半2日間:刑事の知識インプット
      • 7日目  :大手予備校(資格スクエア)にて口述模試を受験
  • 2週間目(10月15日〜10月21日)
      • 前半3日間:民事の復習(1週目に入れた知識を再確認しつつ過去問を解く)
      • 後半2日間:刑事の復習(1週目に入れた知識を再確認しつつ過去問を解く)
      • 最後の2日:民事・刑事の総復習


Q. 各科目の対策にどのような教材を使いましたか?

民事系で6冊、刑事系で3冊の参考書を使用しました。民事系、刑事系に分けて、それぞれの科目で使った教材をリストアップしていきます。


民事系の対策について


民事系は、忘れている範囲も多かったので、民法全体の総復習から始めました。使用したのは通っていた予備校の論証集。1週間目に1周、2週間目に1周で、計2周回しました。

  • 要件事実のために使用した本は全部で3冊です。民事対策の中で7割程度、要件事実に使いました。

  1. 司法研修所出版の『新問題研究 要件事実』

        • 要件事実の基礎といえば本書であり、要件事実の初学者は必読と言われています。そのため、外せない知識を固めるために、新問題研究を全部で5周程度しました。1週間目に3周、復習のために2週間目に2周していました。だいたい1周あたり1時間程度かけていました。

  2. 司法研修所出版の『紛争類型別の要件事実―民事訴訟における攻撃防御の構造』

        • 新問題研究よりも情報量が多いですが新問題研究と並んで、基礎的知識を習得するためによく挙げられている本書を、全部で5周程度しました。この本も1週間目に3周、復習のために2週間目に2周していました。1周あたり1〜2時間程度かけていた気がします。


  3. 大島 眞一先生の『完全講義 民事裁判実務の基礎』(要件事実の章)

        • 要件事実を一から復習するために、全部で3周ほど読みました。とはいえ、本書は情報量が多いので、後述の2冊を読んだ後に読みました。最初の1周は3時間ほどかかってしまいましたが、基礎知識を身につけた後に、この一冊で細かい知識までをも補完するイメージです。


  4. 司法試験&予備試験短答過去問パーフェクト〈3〉民事系民法1

        • 民事の手続きの確認:忘れていた手続きの確認をするために予備試験の民事訴訟法の短答過去問を、1週間目に7時間くらいかけて1周解きました。

  5. 司法試験予備試験法律実務基礎科目ハンドブック〈1〉民事実務基礎

        • 民事実務(執行法と保全法)の確認のために、上記参考書を利用しました。民事実務の執行法と保全法の対策として、本書のうち該当部分のみ1週目に1周、2週目に2周で、全部で2周しました。また、最後の週ではこの参考書に記載されていた過去問も2周解きました。

刑事系の対策について


  6. 辰已法律研究所の『司法試験予備試験法律実務基礎科目ハンドブック〈2〉刑事実務基礎』

        • 忘れていた刑事実務の復習として、この参考書を5周程度しました。

  7. 司法研修所監修の刑事第一審公判手続の概要 参考記録に基づいて(平成21年版)

        • 手続きの確認のため、この参考書を1周しました。

  8. 基本刑法I―総論[第2版]の基本刑法I、Ⅱ―総論[第2版]、各論

        • 記憶喚起のため、論点を次々確認する目的で、教科書を1周しました。

  9. その他

        • 頭の体操として、空き時間はひたすら刑法の論文の問題文を見て、パッと何罪が成立するのか、及びその理由を答える練習をしました。また、判例100選を1周していました。


Q. 試験直前はどんな勉強をしていましたか?

前日は民事系、刑事系両方の知識に触れるようにしました。具体的には、民事は要件事実の総復習、刑事は論点の総復習をしました。特に、耳で聞いてすぐに答えることをイメージしながら、知識のインプットをしました。


Q. 最後に一言メッセージ

 読み書きの試験と打って変わって、「耳で聞いてすぐ答える」口述試験は、私にとってはとても難しく感じました。読めばわかることも緊張ゆえ耳で聞いても理解できない、書けばスムーズに説明できるのに口頭だとうまくできない、ということもしばしばですから、口頭のやり取りをイメージしてインプットするといいかなと感じました。

 口述試験の勉強は、かなり勉強が進んだ方でも気が重くなるようです。ですが、私のように追い込まれた者でもなんとかなりました。ですから、どうか不安になりすぎず、自信を持って頑張ってください!今回の情報が、少しでも受験生のみなさんの助けになればと、心から願っています。

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以上、佐護先生が教える、口述対策に活躍した参考書8冊でした!佐護先生はLEAPの講師としても活躍中。LEAPでの個別指導にご興味をお持ちの方はぜひ下記リンクをご覧ください。


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