【新着講師情報】南田 航太郎さん:複数のゼミに所属しながら、法律の多角的な理解を深める

LEAPに登録している講師の魅力をお教えする本企画。今回は、東京大学法学部卒業後、東大法科大学院に進学し、現在70期司法修習生として活躍する南田航太郎さん。ロースクール1年目で予備試験に合格し、翌年司法試験に合格した第70期司法修習生の南田 航太郎さん。学部時代は複数のゼミに所属し、多角的な角度から法律の理解を深めたという彼に、今までの勉強ストーリーを聞かせて頂いた。

小学校の原体験がきっかけで、弁護士を目指すように


|Q. そもそも、弁護士を目指したきっかけは何だったのでしょうか

  小学生の時にあった出来事がきっかけで、弁護士を目指すようになりました。当時の親友が割といたずらっ子な子だったのですが、先生から目をつけてられてしまって。彼のせいで起きたわけではない、クラスの揉め事とかも彼のせいにされてしまうことが多々ありました。その様子を見て、「自分は頭をつかって理不尽な思いをしている人の憤りを代弁できる弁護士になりたい!」と思ったのがきっかけです。その後、高校受験、大学受験を経て東京大学法学部に入学しました。


大学時代4つのゼミに所属し、法律に纏わる多角的な理解を深める


Q. どのような学部時代を過ごしていたのでしょうか

  学部時代は、4つのゼミに所属し、法律にまつわる知識を多角的に学んでいました。選んだ4つのゼミは、どれも司法試験的に直接的に関係のない分野で、普通に生きていたらやらないようなコトを、あえて選びました。1つめは、大渕哲也先生の知的財産法のゼミです。知財に興味があったからという理由で選びました。15名程度の規模で、知財に関する判例研究を行なっていました。2つめは、大澤裕先生の刑事訴訟法のゼミです。刑事訴訟法が苦手だったから、という理由で選びました。アメリカと日本の刑事訴訟法を比較、考察しているゼミでした。3つめは、柿嶋美子先生の英米法のゼミです。このゼミでは、アメリカの連邦最高裁の判事の方の伝記を輪読し、その時代時代に於ける法律に纏わるエポップメイキングな事件や時代背景を学んでいました。柿嶋先生のクレイジーな人柄もあり、とても楽しいゼミでした。4つめは、唐津 恵一先生の企業法務のゼミです。このゼミも、とても印象に残っています。実際に、自分たちで一部上場企業の株主総会に赴き、報告レポートを書いていたりしていました。


法律相談サークルに所属し、地域住民に対し、無料で法律相談を行う


Q. サークル等にも所属されていましたか?

  東京大学無料法律相談所を運営する、法律相談サークルに所属していました。地域住民に対して無料で法律相談に乗るという活動内容です。サークルの中では法律相談の管理運営責任者のポジションを担っていたので、積極的にサークル活動にも精を出していました。今でも、サークルのOBとしてサークルの活動に携わっています。


Q. どのような流れで無料相談を行なっていたのでしょうか?

  HPや口コミを通して、無料相談を受けたい方を公募します。それぞれの方々に、電話で抱えている法律事案をヒアリングします。ヒアリングした内容を念頭に置きながら、実際にお客様に大学にお越しいただきます。そして、その場で改めて法律的な悩みの相談を受けて、グループで検討した結果をお答えするという流れで行っていました。


Q. 勉強でお忙しい中やりくりされていたと思うのですが、サークルを頑張るモチベーションは何だったのでしょうか?

  所属していらっしゃる先輩方への憧れが一番のモチベーションの源泉だったような気がしています。約70年の歴史を誇るサークルで、OB・OGの方々も、各々第一線で活躍していらっしゃる方ばかり。そうした先輩方への憧れが大きなモチベーションとなっていました。また、弁護士になる前のスキルアップとして有用だったことも、サークル活動へのエネルギー源になっていました。


ゼミやサークルで忙しい日々を送っていた南田さんの司法試験の勉強スケジュールとは?


Q. 司法試験の勉強は、どのようなスケジュールでやっていらっしゃったのでしょうか。

  僕が勉強を始めたのは、学部2年生の秋頃からでした。最初に大手予備校に入塾し、学部2年の秋から学部3年の秋までは、7科目の基礎的な知識のインプットに励んでいました。学部3年生の秋から、ロースクール2年生(予備試験合格)までの2年間は、主に論文対策をしていました。


Q. 予備試験は何回くらい受験していらっしゃったのでしょうか。

  予備試験は、学部3年生の春、4年生の春、ロー2年の春、と計3回受験をしました。学部3年生の春段階は短答不合格、4年の春は短答合格・論文不合格、ロー2の春で最終合格となりました。それぞれの失敗を振り返ると、1回目の失敗は、完全な知識不足と、短答の過去問の検討不足に起因していたと思います。その反省を生かし、2回目の予備試験短答試験の直前は、過去問の検討に時間をかけました。直近の10年分くらいの過去問を、何周も解くという勉強法です。結果、短答は受かったものの、論文は不合格。論文の敗因は、苦手分野が出てしまったことと、一般教養の対策不足でした。翌年は、ひたすら今までやっていた論文対策をより深く理解するような勉強法をとっていました。そして、ロー1年目で予備試験の最終合格に至りました。


Q. 学部4年生と、ロー2年生の時の論文対策は、どのように変えたのでしょうか?

  やっていること自体は、あまり変わっていませんでした。今までやってきた論文対策や判例の読み込み等を何回も、何回も繰り返し行いました。3週、4週、とすることで、毎回知識を深めて行くようなイメージで、取り組んでいました。


現在、司法修習真っ最中!1月からは、神戸での修習が開始。


神戸地方裁判所の様子


Q. 実際に司法修習が始まって見ての感想を教えてください

  先日から司法修習生活が開始しました。現在は、導入研修を受けています。毎日、裁判官や検事、弁護士等の実務家の方々が教壇にたち、それぞれが授業をしてくださっています。「意外としっかりと勉強をしなきゃいけないんだなぁ」というのが第一の感想です。司法修習が始まる前から、事前に課題が手渡されていたりしていて、日中の研修が終わった後や、土日も勉強したりしています。1月からは、神戸での修習を予定しています。


Q. ロースクールでの授業との違いがあれば教えてください

  ロースクールの授業よりも、深い知識のインプットがなされているような気がしています。司法試験では出なかったような分野の授業もあります。全ての授業が、実際に使われた事件の記録を元になされている点は、とても興味深く、楽しみながら授業を受けています。


Q. 先日、法務省より給費制の復活が表明されましたが、貸与制という制度の下で学ぶ南田さんとして、何かご意見はございますでしょうか。

  貸与制という制度そのものに対しては、少なからず憤りと似たような感覚を持っていました。金銭的負担を強いられて、一番損をするのは、熱意があり弁護士を目指す僕らだと思っています。だからこそ、給費制の復活は嬉しかったものの、「なぜこのタイミングで…」といった不満もないといえば嘘になります。もう少し早く実現してくれれば、自分も間に合ったのに…と思っています。修習中の仲間とも、この話を議論することがよくあります。皆、給費制・貸与制問題に関する問題意識は比較的高いような所感を受けています。


強きをくじき、弱き助ける弁護士になるべく日々格闘中


Q. 修習後は、どのようなキャリアを歩まれるつもりなのでしょうか?

  修習後は東京の渉外事務所にて、企業法務に携わっていくつもりです。将来的には民事事件にも携わりたいという思いもあります。どんな場所で働いていたとしても、僕が弁護士を目指すきっかけにもなった「強きをくじき、弱気を助ける」姿勢を持つ弁護士でいきたいと思っています。


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インタビューを通して、知的で、もの柔らかな彼の人柄に強く惹かれた。今年の1月より、神戸にて修習を開始された南田先生。ゼミ活動や法律相談サークルで多角的な法律の理解をしてきた南田先生なら、司法試験にむけての指導だけでなく、実務的なアドバイスをしてくださるに違いない。ぜひ神戸在住の方にこそ、南田先生への指導依頼をお待ちしております。

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